
はじめに
解剖学の本、何を買えばいいかわからない
インストラクターやトレーナーの方からよくいただく相談です。書店でもAmazonでも似たようなタイトルが並んでいて、どれが自分のレベルや目的に合っているのか判断しづらい。
この記事では、理学療法士として実際に読んで「現場に役立つ」と判断した本を、まず読むべき3冊+さらに極めたい人への1冊という構成で紹介します。
ヨガ養成でよく使われるヨガ解剖学本はあえて外しています。すでに持っている方が多いこと、そして「筋肉の名前を知っている止まり」になりやすいことが理由です。ここで紹介するのは、動きを読む目を育てるための本です。
なぜヨガ解剖学本だけでは足りないのか

ヨガ養成で使われる解剖学本の多くは「このポーズではこの筋肉が働く」という対応関係を学ぶ構成です。知識の入口としては十分ですが、現場では別の問いが生まれます。
なぜこの人はこのポーズがうまくできないのか
なぜ腰が痛くなるのか
——これらは構造の暗記だけでは答えられません。動きのルールである運動学の視点が加わって初めて答えが出せるようになります。以下で紹介する本は、その視点を養うために選んでいます。
まず読むべきおすすめ3冊
① 運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学|腰痛・肩こりの原因が構造からわかる

著者:工藤慎太郎 出版:医学書院
こんな方に:解剖学の入門として、まず1冊目に読みたい方
腰痛・肩こり・膝痛など、お客様からよく聞く訴えがなぜ起きるのかを、解剖学の構造と結びつけて解説した本です。
「なぜ前屈で腰が丸くなるのか」「なぜ肩が詰まるのか」を筋肉・関節・靭帯のつながりから理解できるようになります。読み終えると「あのお客様の痛みはこれだったのか」という発見が必ずあります。
医療職向けの書籍ですが文章は読みやすく、3冊の中では最も取り組みやすい入口です。解剖学に苦手意識がある方にも自信を持っておすすめできます。
難易度:★★☆☆☆ おすすめ度:★★★★☆
② 「4スタンス理論」で腰痛は9割治る!|「正しいフォーム」の思い込みを外す一冊

著者:廣戸聡一 出版:講談社
こんな方に:指導が「全員に同じ正解を教える」になっていないか見直したい方
人によって体の使い方の正解が違う、という視点を与えてくれる本です。
インストラクターが陥りやすい落とし穴があります。自分が「正しい」と信じているフォームや動作パターンを、無意識に全員へ当てはめてしまうことです。「なぜこの方には効果が出て、あの方には出ないのか」という疑問を持ったことがある方には、ヒントになる視点が詰まっています。
専門書ではないので非常に読みやすく、①を読んだ後の2冊目として自然につながります。
難易度:★☆☆☆☆ おすすめ度:★★★☆☆
③ 運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略|動きを観察・分析する視点を養う

著者:工藤慎太郎 出版:医学書院
こんな方に:解剖学の基礎は学んだ、次は動作分析の視点を身につけたい方
「お客様の動きを見て、何が起きているかを考える」という力を養いたい方向けの一冊です。痛みや動作の問題がなぜ起きるかを、評価(アセスメント)の視点から解説しています。
「観察して、仮説を立てて、対応する」という理学療法士の思考プロセスがそのまま学べる内容で、①と同じ著者による続編的な位置づけです。①を読んでから手に取ると、内容が一気に深く入ってきます。
難易度:★★★☆☆ おすすめ度:★★★★☆
さらに極めたい人への1冊
筋骨格系のキネシオロジー|運動学を本格的に学ぶ世界標準のバイブル

著者:Donald A. Neumann 出版:医歯薬出版
こんな方に:運動学を体系的に学びたい、長く使える専門書を1冊手元に置きたい方
理学療法士の養成校で長年教科書として使われている、世界的な定番書です。解剖学・運動学・バイオメカニクスが一冊に体系的にまとまっており、「キネシオロジーを学ぶならまずこれ」と運動指導者の間で長く読まれています。
通読しようとすると挫折します。正しい使い方は辞書として手元に置くことです。「股関節の外旋に関わる筋肉は何か」「膝の安定に何が働いているか」——現場で疑問が生まれたとき、該当ページを開いて確認する。この使い方ができれば、何年でも使い続けられる一生ものの一冊になります。
上の3冊を読んで「もっと深く学びたい」と感じたとき、初めて手に取るのがちょうどいいタイミングです。
難易度:★★★★☆ おすすめ度:★★★★★
レベル別・読む順番ガイド

| レベル | 読む順番 |
|---|---|
| 解剖学ほぼ初めて | ①臨床解剖学 → ②4スタンス理論 |
| 学んだが現場で使えない | ②4スタンス理論 → ③評価戦略 |
| 動作分析までしっかり学びたい | ①→②→③の順に |
| さらに極めたい | 上の3冊の後に『筋骨格系のキネシオロジー』 |
書籍で土台を作ったら、次は実践で使う力へ

書籍は知識の地図を作るのに優れています。ただ、今回紹介した本で扱っている内容——姿勢評価、動作分析、痛みの原因を読む視点——は、実際に体を見ながら練習しないと現場では機能しません。
「本は読んだ。でも現場でどう使えばいいかわからない」という状態を突破するために作られたのが、エクラスタジオの「理学療法士が教える解剖学×運動学講座」です。
整形外科・脊椎専門クリニックでの臨床経験を持つ理学療法士・佐伯琉生が直接指導する全8回の実践型講座。座学4回(オンライン)+実技4回(東京・上野)の構成で、最大5名の少人数制です。
この講座で身につく3つの力
- 不調の原因を骨格・関節・筋のつながりから読み解く力
- 代償動作・可動域制限を見抜く評価力
- 安全に改善へ導くアプローチ設計力
開催スケジュール
【特別価格で受付中!】2026年第1回:7月〜8月 毎週木曜日14時〜

2026年第2.3回:9月〜 毎週木曜日10時〜

書籍で「知っている」になった知識を、講座で「使える」に変える。その一歩として、まず無料相談からどうぞ。
理学療法士がおすすめ!解剖学・運動学本3選

| 籍 | こんな方に | 難易度 |
|---|---|---|
| ①運動器疾患の臨床解剖学 | 痛みの原因を構造から理解したい入門者 | ★★☆☆☆ |
| ②4スタンス理論 | 個別対応の視点を持ちたい方 | ★☆☆☆☆ |
| ③評価戦略 | 動作分析の視点を養いたい中級者 | ★★★☆☆ |
| +筋骨格系のキネシオロジー | さらに極めたい上級者 | ★★★★☆ |
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